中日美容専門学校、第1回「ガチコン」を開催!“サロンワークで通用する教育”を学生のうちから

2026年9月29日、中日美容専門学校で第1回「ガチコン」が開催された。
「ガチコン」は、実際のサロンワークを想定した実践型コンテスト。参加したのは、美容科スーパープロフェッショナルコースを専攻する学生44名。カウンセリングでお客様の希望や悩みを汲み取り、カット・パーマ・カラー、そしてスタイリングまでを3時間半で仕上げていく。
競うのは、ただ“上手に作品をつくる技術”だけではない。 お客様が求めていることを理解し、自ら考え、技術を選び、再現する。 その先にある「現場で活躍できる美容師」を育てることが、このコンテストの大きな目的だ。
美容学校のスタンダードを変えていきたい

開会式で小山校長から語られたのは、ガチコンが生まれた背景。
現場で通用する学生をどう教育していくか」その思いから始まったのが、スーパープロフェッショナルコースだ。
現在、学校卒業後にスタイリストデビューするまでには、平均で約2〜3年かかるとされている。その中で、美容師という仕事のやりがいや醍醐味を十分に感じる前に離職してしまう若手もいる。
さらに、今後は18歳人口の減少も見込まれており、美容業界を目指す若者そのものが減っていくなか、これからの美容師人口を守っていくためには、サロンだけでなく、学校を含めた業界全体で人材を育てていくことがますます重要な課題となる。
そこで同校が目指したのが、学生のうちからサロンワークで通用する力を身につけ、卒業後、少しでも早く現場で活躍できる土台をつくることだった。
学校で技術を身につけ、国家資格を取得するだけではなく、その先の「美容師として活躍し続ける未来」までを見据えた教育へ。
小山校長は、「美容学校の今までのスタンダードを変えていく」と学生たちに伝える。
自分の好きなスタイルをつくるだけではなく、お客様のニーズに応えられる美容師。
ガチコンは、そのための実践の場としてスタートした。
答えは一つじゃない。自分で考え、技術を選ぶ3時間半

競技が始まると、会場の空気は一変した。
学生たちの手元のカルテには、カウンセリングから読み取ったお客様の希望を形にするため、カットの展開図、パーマの巻き方、カラーの薬剤選定や塗り方などがびっしりと書き込まれていた。
そこに書かれているのは、誰かから指示された施術方法ではなく、一人ひとりが自分で考えたプラン。
スタートの合図とともに、一斉にカットが始まる。
緊張感のある会場で印象的だったのは、学生たちが迷いなくハサミを動かしていたこと。その姿は、まさにサロンで働く美容師だった。



パーマでは、目指す仕上がりからロッドの大きさや巻き方を自ら判断していく。カラーでは「チェリーレッド」というキーワードをもとに、これまで学んだ知識を使って薬剤を選定していった。
同じカウンセリングから、導き出す答えや施術のプロセスは一人ひとり違う。
それぞれが考える「究極の再現」を目指し、制限時間いっぱいまで作品と向き合っていた。
会場では、今年9月からスーパープロフェッショナルコースを専攻した1年生59名も、先輩たちの競技を見守っていた。
目の前で繰り広げられるのは、1年後の自分たちの姿でもある。
「1年後、自分がここまでできるようになるのか不安。でも、これを見たことで頑張ろうと思えた」
「入社してから、誰よりも早くスタイリストデビューしたい」
先輩たちが真剣に作品と向き合う姿を目にし、来年のガチコンで最上位のSランクを目標に掲げる学生も。
技術だけでなく、先輩たちの姿そのものが、次に挑戦する1年生たちの刺激になっていた。
プロが感じた「考える力」と「現場に即した対応力」

閉会式では、学生たちの技術レベルの高さだけでなく、サロンワークにつながる力にも評価が集まった。
審査員には、表参道を拠点に高い技術力を発揮し、美容師向けセミナーでも活躍するDaB代表・八木岡聡氏をはじめ、同社の私市 龍星氏、米島 優氏が名を連ねた。美容業界を牽引する実力者たちが、学生の技術と仕事への向き合い方を審査した。
私市氏は、パーマやカラーの再現性、最後のスタイリングまで含めた作品の完成度を高く評価し、「学生でこんなレベルの高いカット・パーマ・カラーができるんだ」と驚きを語った。
グランプリ作品に関しては、「自分でもこんなスタイルをうまくつくれたらテンションが上がる」と感じたほど、完成度の高い作品だったと評価。
そして、「中日美容専門学校の学生たちが美容業界に来て、一緒に働けるのが楽しみ」と、これから現場へ羽ばたいていく学生たちへ期待を寄せた。
米島氏が評価したのは、完成した作品だけではなくこうだ。
目指す色味から自分で薬剤のレシピを組み、それに合わせて施術のプロセスを考えていること。
パーマでは、ロッドの位置や左右のバランスまで意識するなど、一つひとつの技術を高いレベルで形にしている点にも注目した。
特に印象的だったというのが、施術の合間の学生たちの動きだ。
手際よく片付けや次の準備をして時間をつくる。こうした一見、作品には表れない行動も、実際のサロンワークでは大切な力だという。
米島氏は、こうした学生たちの姿を見て、「今後美容業界に入ってきて、より盛り上げてくれることを確信できた」と期待を寄せた。
八木岡氏も、学生たちの技術力をカットやパーマのクオリティだけでなく、一人ひとりが目指すスタイルの方向性にも、「予想以上」の高い評価をした。
評価の中で学生に伝えたのが、コンテストと実際のサロンワークの違い。
「100点はお客さんが決める」。
技術的な正確さだけが、お客様の満足につながるわけではなく、ヘアスタイルがその人にフィットし、自信につながること。言葉や雰囲気も含めて、その人の気持ちに寄り添うこと。
今回の受賞作品の評価も踏まえ、“答えは一つではない”とサロンワークの奥深さを学生たちに伝えた。
続けて、今回の成果について、スーパープロフェッショナルコースで行われている実践的な教育が学生たちの力につながっていると総評を述べると同時に「先生方が学生に教えている内容は、とても正しい方向だと感じた」と感銘の意を伝えた。
今回が初開催となったガチコンについても、こうしたコンセプトのコンテストは珍しいとしたうえで、今後全国へ広がり、中日美容専門学校でも来年、再来年と続いていくイベントに育ってほしいと期待を寄せた。
技術だけでなく、考える力や仕事への向き合い方、そしてその先にいるお客様の気持ちまで。
現場で働くプロの目から見ても、学生たちの姿にはすでに“サロンワークにつながる力”が表れていた。
“作品をきれいにつくれる学生”ではなく、“現場で考えて動ける学生”。
ガチコンで磨かれているのは、そんな実践力だった。
美容師として活躍し続ける未来を、学校から。中日美容専門学校は次のフェーズに進んでいる

小山校長が見据えているのは、コンテストで良い成績を残すことだけではない。
「なぜ良かったのか、なぜ悪かったのかというのを理解すること、次に活かすことが結果以上に大事。」
今回の結果をゴールにするのではなく、そこから学び、次につなげていく。
学生のうちから現場で求められる力を身につけ、卒業後、少しでも早く美容師として活躍する。そして、お客様に喜んでもらえる経験や仕事のやりがいを感じながら、美容師として成長を続けていく。
早期離職や、これからの美容師人口を考えるうえで、人材育成はサロンだけの課題ではない。
学生を美容業界へ送り出す学校だからこそ、できることがある。
「学校で学ぶ技術」と「現場で活きる力」をつなぎ、美容師として活躍し続けるための土台をつくる。
第1回ガチコンは、これからの美容業界を支える人材を学校から育てていく、新たな挑戦のスタートラインだ。
<取材した学校>
中日美容専門学校
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