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2019-06-03

「不自由なく暮らせればいい」OCEAN TOKYOに入るまで野心の欠片もなかった -OCEAN TOKYO 雨宮 雄三さん U29次世代美容師-(前編)

カッコいい美容師にはなりたいけれど、野心はなかった

学生時代は有名な美容師になりたいとか、そういう野心も一切ありませんでした。美容師になって、生活に不自由しなければそれで十分かなと。ただ、僕が髪を切ってもらうなら、オシャレでカッコいい美容師さんに任せたいから、そういう美容師になりたいとは思っていました。

ちなみに、美容学生時代、上京して初めての美容室で、僕の髪を切ってくれたのはなんと現代表の中村トメ吉でした。今一緒に働いているので、運命的な出会いだったなって思っています。そのときは、めちゃくちゃカッコいい髪型にしてもらって感動したんですけれど、僕はリアクションが薄いタイプ。中村に切ってもらったお客さんはめちゃくちゃ感動するのが当たり前だったので、僕の反応を見て不安になったそうです(笑)。OCEAN TOKYOで一緒に働くようになってから、中村にそのときのことを教えてもらいました。

就職活動が始まるまで、入りたいサロンは特に決まっていませんでした。でも、同級生が有名店を受けるという話を聞くと、「負けていられないな」と思うように。それで僕も有名店を受けると決めて、メンズスタイルに強いことで有名なサロンを受けました。

ところが、その面接の日、僕は1時間遅刻したんですよ。「多分落ちたわ」と思って、帰り道にほかのサロンを探しましたが、結果は合格。ちなみに、その当時の僕は、やっぱり「中の中」の学生だったから、面接に持っていける武器もありませんでした。だから、集団面接では面接官からの質問に対して、全て一番最初に答えるようにしていたんです。それがよかったのかもしれません。

「社会人になりたくねぇなぁ」卒業旅行の思い出

働くサロンが決まっても、美容師という仕事に熱くなれそうもありませんでした。卒業旅行で温泉に行ったんですけれど、みんなで風呂につかりながら「ああ社会人になりたくねぇなぁ。土日休めなくなるよ。もう戻れないよ」って話したりしていて(笑)。でも不思議なもので、一緒に旅行にいった7人のメンバーはまだ美容師を続けているんですよ。今も年末に集まっていて、「お互いよくやってるよな」って話しています。

美容師1年目は、仕事をまったく楽しめていなかったです。アシスタントがやれることって、掃除とかシャンプーとか地味なことばかりじゃないですか。毎日シャンプーばっかりしていると「なんだこれ? これがやりたかったことか?」って思えてきてしまう。とはいえ、仕事をやめるわけにはいかない。なぜなら、美容師になるために東京に出てきたから。なので、東京に居続けるために仕事を続けている感覚でした。

同期と争うことにも興味がなかったし、カリキュラムの進み具合も普通…なかなかスイッチが入らなかったんですよね。ちなみに、アシスタント時代に読者モデルとしてとりあげていただくことが増え、CHOKICHOKIおしゃれキングに選ばれたこともありました。みんなが真似をしやすいファッションだったので、支持を集めることができたようです。だから今も真似をしやすいファッションやヘアスタイルは意識していますね。

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