カッコいいも可愛いも叶えたい “中性的美容師”を目指した理由
男性なのに女性らしい、女性なのに男性らしい顔立ちや雰囲気の「中性的」「ジェンダーレス」な人々。カットやカラーでそのような雰囲気を作り出すことも可能な今、vainでスタイリストとして働くmizukiさんは、自身が理想とするカッコいいスタイルを作り出す美容師に巡りあえず、悩んでいたそう。そんな過去の経験を生かし、中性的を求めるお客様に寄り添うmizukiさんの考える美容師とはどのようなものなのか、伺いました。
フェミニンからボーイッシュへ。変化のキッカケはモデルカット
現在勤務するサロンに内定が出たのは1年生の後半。早い時期に就職先が決まっていたので、残りの学生生活は余裕を持って過ごしていました。
2年生のとある日、たまたま他社のカットコンテストでモデルを受けることになり、ショートヘアにしたんです。
なんとなくモデルを受けてみたのですが、髪を切ったことで、その日以降メイクや服装が一変。切る前はよく着ていたフェミニン系が私にはしっくりこなくなり、スカートよりもパンツを合わせるコーディネートが増えていきました。
でも、モード系でもなければカジュアル系も違う。どこに寄せれば良いのかわからなくなってしまい、悩んでいましたね。
そこで、一度カワイイとかカッコイイという考え方を止めてみたんです。性別を問わないような服装に切り替えてみたら、それがハマった。そのときから、女性でも男性でもない、”中性的”なスタイルを好むようになりました。
変わったことでマイナスになることはなかったのですが、他のサロンで髪をメンテナンスしてもらうときが大変でした。
自分の中でイメージはあったものの、それが女性らしくも男性らしくもない、中間的なスタイル。そうしたいという感覚が相手に共有できず、結果として理想通りにはならないんです。
そのイメージや感覚を汲み取ってくれる美容師さんも居ませんでした。就職してからもそれは変わらず、モヤモヤしたままでした。
vainのオープンが、悩みを強みに変える
モヤモヤしながら美容師生活を送っていた頃、会社では、元々打ち出しているコンセプトとは真逆にあたる『vain』をオープンさせることになり、それに伴いスタッフを募集していることを知りました。
vainは、系列店のEuphoriaが提案するカワイイスタイルではなく、カッコイイスタイルをメインに打ち出していくサロンです。
その雰囲気に沿うスタイルを提供していくことがベースとしてあり、かつ、スタッフそれぞれが得意とする技術を身に付けることで、幅広い”カッコよさ”を提案していくことができます。
元々カッコイイスタイルを作ることが好きだったので、オープンにあたり手を挙げていたのですが、自分が得意にできるものを考えたとき、思い浮かんだのは自分が悩んでいたことでした。
「“かわいい”よりも“カッコイイ”をイメージしているのに、思い通りにならなかったな…」そんな経験を持つ人は他にもいるのではと感じ、同じような悩みを持つお客様に寄り添える美容師になろう!と思いました。
これが“中性的”というフレーズに結びついたキッカケです。自分が悩んでいたからこそ、強みにできることでしたね。
▶「男性だから」「女性だから」はもう終わり。ジェンダーフリーな美容師へ。