大学を中退して美容の道に。 OCEAN TOKYO代表・高木琢也のアシスタントも務めるスタッフに直撃!
人気サロンで働く美容師さんは、どんな学生時代を過ごし、就職活動ではどんなことを大事にしてきたのでしょうか。今回は、OCEAN TOKYO本店でアシスタントを務める藤川勇人くんに、学生時代や入社後など様々なお話を聞いてきました!
※取材・撮影時のみ、マスクを外しています。
知識や経験は付け焼き刃では得られない、だから美容意外の経験も大事にしてほしい
僕は元々、4年制の大学へ入学し経営学について学んでいました。2年生へ進級するときに中退を決め、美容専門学校に入り直したのですが、高校生の頃から大学か美容学校かで進路に迷っていたんです。将来が安定すると考え大学に進学したものの、卒業後のビジョンがどうしても思い描けなかったんですよね。
家族に「大学を辞めて美容学校に行きたい」と伝えるときは、なかなか言い出せなかったですよ。でも、「やりたいことがあるのはいいこと。自分の思うようにやりなさい」と言ってくれたんです。自分の決意を認めてくれたことは、本当に感謝しています。
専門学校では、当たり前ですが他の生徒よりも2歳年上。弟や妹と学校生活を送っているようで最初は戸惑いもありましたが、美容師になりたいという志は皆同じなので、夏休みに入る頃にはなじむことができました。
学生時代は無遅刻無欠席で授業にはきちんと出席していましたが、美容意外の知識を得ることにも貪欲なタイプでした。美容は美容師になったあとでも追求できるけれど、時間がある学生時代だからこそできる経験――いろいろなところに出かけて経験を得ることや、本を読んで知識を蓄えたりすることが大事だということは、今でも実感します。とくに、接客面では引き出しの多さは重要。それは付け焼き刃で増やすことはできないので、経験を積むことが本当に大事だと思います。
選考を通してブレずに伝えることを一番大切にした
OCEANを知ったのは高校生のときです。美容専門学校入学後は、完全にOCEANだけに狙いを定め、就職活動が始まる前から、最低でも2か月に1回は地元の奈良から東京に通っていました。やるからには徹底的にやりたいと考えていたので、全店舗に足を運びましたね。
一次面接は1分間スピーチ。短時間で自分がどういう人間なのかを伝えなければなりません。自分のことを人に伝えるには、まずは自分自身が一番知っておかなければいけないですよね。それにはやっぱり経験が大事なんですよ。何が本当に好きなのかって、自分でやってみないとわからないし、自分のこととして語れない。
僕の場合は、1次試験の数日前に自分の人生を頭の中でまとめて、具体的に何を話すかというのはその場で頭に思い浮かんだことを話そうと決めていました。それで言葉が何も出てこなかったら自分の経験不足ということで腹をくくりました。
実際に話したのは、「感謝」と「恩返し」ということ。大学を辞めて美容学校に進学させてくれた家族や、年上の僕を受け入れてくれたクラスメイトに感謝の気持ちを伝えたい、それには目標としていたOCEANでスタイリストになって恩返しすることなんだ、ということを語りました。
2次試験はウイッグなのですが、テーマは「自分の人生を表したウイッグ」というものでした。僕は、ウイッグを丸刈りにしてそこに花を刺し、そこからエクステを垂らしたものを作りました。アップスタイルを作っている人が多い中で珍しい表現になりましたが、エクステは「根っこ」を表しているんです。知識や経験といった根っこをしっかりと張って、花を咲かせる……僕が人生を通して感じていた知識と経験の大切さというのをブレずに伝えるということを最大限意識しました。
選考が進んでいく中でも”手応え”を感じた瞬間は正直無かったのですが、1次も2次も、3次試験のサロンワークやその後の面接なども「過去の試験と話していることが違う」とならないよう、自分のビジョンは一貫して伝えるように気をつけていました。
よく、「OCEANに通わないと受かりませんか?」と聞かれますが、一度しかサロンに来たことがない場合でも入社している人はたくさんいます。お客さんとして来た回数とかではなく、その人の人間性そのものを見る選考なので、その点は心配しなくていいと思います。
今、僕は入社3年目で、ウィッグのカット練習をしながら、本店の店長の宮島と、代表である高木のアシスタントについています。立場ある人のアシスタントなのでプレッシャーはめちゃくちゃありますが、毎日が本当に楽しいです。
OCEANでは、お客様の仕上げはアシスタントが担当するのですが、「めっちゃかっこよくなりました!」と笑顔をもらえると、つらいことはすべて吹き飛びます!僕は技術も好きだし、お客様と話すことも大好きなので、それが両方叶えられるスタイリストになれるよう頑張ります!
藤川勇人(ふじかわ ゆうと)
奈良県出身/大阪ベルェベル美容専門学校卒業。
OCEAN TOKYO原宿店から本店に異動。現在は、本店の店長・宮島涼と代表・高木琢也の専属アシスタントにつきながら、スタイリストデビューを目指して技術を習得中。
https://www.oceantokyo.com/
(カメラマン:松林真幸 ライター:須川奈津江)