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2021-08-24

VOYAGER vol.09〔GOALD〕代表 中村トメ吉さんからのメッセージ

時代は令和へと変わった昨年、美容業界にも「働き方改革」「シェアサロン」「業務委託」など、働き方の多様化が目立った年でした。

現在も続くコロナウイルスによる環境の変化。この状況下において、これからの美容業界はどうあるべきか?この時代だからこそ問われる、美容師としてのあるべき姿とは?業界を牽引する方達の想いを、第9回目(2020年12月)の発行となった「VOYAGER」では語って頂いています。

今回は、巻頭ページを飾った4名のインタビュー記事をご紹介!美容師を目指す皆さんへ、熱い想いをお届け致します。Part.1は、GOALD代表中村トメ吉さんです♪

★この記事は、2020年12月に発行したリクエストQJ1月号別冊VOYAGERに掲載中です。全国の美容学校へお届けしておりますので、是非学校にてチェックしてみてくださいね!

ベテランはいらない—美容師という仕事は「なりたい自分」を実現するための手段にすぎない

2019年、経営者としてもプレイヤーとして全力を注いできたメンズヘアサロン『OCEAN』から、電撃的な卒業を発表した中村トメ吉。彼が新しく手掛けるヘアサロン『GOALD』が2020年9月で1周年を迎えた。

GOALD を立ち上げてから少なくない期間コロナの影響を受けたことになるが、GOALDは業界の中でもいち早く休業の判断をした上で、クラウドファウンディングや業務委託サロンとの提携など革新的なアクションを起こし続けてきた。中村にはどんな思いがあったのだろうか。


「僕は、経営者として、これまで大きな壁にぶち当たったことはなかったんです。だって、すべてうまくいってしまうから(笑)。それがコロナにより最大のピンチに見舞われ、自分が試されたことになりますが、業界でいち早く休業を決められたこと、それにより次のアクションも素早く起こすことでGOALDの仲間を守るという判断ができたということは、一生誇っていけると思います。こうした決断ができたのは、立ち上げのときから、『人対人』に重きを置いて、お客さまとの信頼関係、そしてスタッフとの信頼関係を普段から築けていたからに他なりません」

コロナ禍を受けて、美容師のあるべき姿は変わっていくのだろうか。

「改めて、『商品を売る』という時代は終焉したと思いました。世の中は豊かになりすぎて商品や情報が溢れています。そんな世の中で人々はどういう内面を持っていて、どのようなものを求めているのか?それを考えた上で職人でありデザイナーである美容師に求められているのは、『お客さまの目線に一番近い位置にいる美容師であること』だと思います。

年月を経て経験を重ねるにつれ、お客さまと目線がずれてきてしまうと、求められているものがわからなくなってしまう。それならば、ベテランはいらないですよね。技術は一流でありながら、お客さまと同じ目線の美容師でありたい。それには、『自分の売上を上げたいからお客さまを呼ぶ』という利己的な精神ではなく、『自分が持っているものをお客さまにも与えたい』という利他的なギバーの精神を持っていなくてはいけません。これは、今までも感じていたことですが、コロナ禍を通して、再確認することができました」

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