sand初の新卒スタッフが今年デビュー! 就活を経た先輩として、今学生に伝えたいこととは?
人気サロンで働く美容師さんは、どんな学生時代を過ごし、就職活動ではどんなことを大事にしてきたのでしょうか。今回は、sand初の新卒採用から2年のアシスタント期間を経て、今年3月にデビューした松元晴志朗さんにお話を聞きました。
代表からアシスタントまで一貫して貫かれた“導く”という言葉にピンときた
学生時代から、卒業後は「都内の有名サロンで働きたい」と考えていました。当時は目指しているサロンもあったのですが、突然そのサロンの方針変更で男性の新卒スタッフの採用がなくなってしまったんです。改めて都内のサロンを探しているときに見つけたのが、sandでした。
まずは代表の島崎(譲)に話を聞いてみたくて、カットの予約を入れました。そのとき話してもらったのは、sandがいかに「スタッフを“導く”ことを大切にしているか」ということ。更に、当時はアシスタントだった(現在はsand Sceneの店長) 阿比留さんに髪を乾かしてもらっているとき、「僕たちが一番大切にしているのは、“導く”ということ。もし入社したら、僕が全力できみを導くから」と、代表とまったく同じことを言われたんです。
正直、「アシスタントなのによくそんなことが言えるなぁ」とも思いましたが、代表の思いがアシスタントまで行き届いているということに感銘を受けて、sandに入社しようと決意しました。
現在、入社3年目で今年3月にスタイリストデビューをしていますが、僕が入社した当時は3年でデビューというカリキュラム。それなら僕は1年半でデビューしよう!と目標を掲げ、結果として2年でデビューという形にはなったのですが、会社としては、2年でスタイリストを育てられるということがわかり、今の新卒生は2年のカリキュラムに変わりました。
デビューした3月はまさしくコロナ禍。でも、お客さまに来ていただけるだろうかという不安はまったくありませんでした。それまでの努力を考えたら、報われないはずはないと信じていたからです。
ありがたいことに、デビュー初月のお客様の半分はモデルとして来ていただいた方たちでした。デビューしてもお客様として通い続けてもらえたのは、ケアや次回提案など、短期的な目標を具体的にお客様と一緒に決めていたからだと思います。sandは、人と人との関わりをものすごく大事にしているので、会話やカウンセリングでも「僕じゃないとできないこと」を大切にしています。
学生のうちに、「チャンスを掴むクセ」をつけておいてほしい
学生時代の僕は、頭がいいわけでもないし、技術がものすごくうまいわけではないけれど、作品撮りは好きでしたし、課外活動にも積極的。他の人とは違う何かを常に探しているタイプでした。
1年生の夏休みには、SNSのDMからお声がけいただいて、『スタイリングコレクション2017』という1000人規模のヘアショーに参加したことがあります。
今、美容学生の人たちに伝えたいことは、「チャンスを掴むクセをつけてほしい」ということ。例えば、小さなことかもしれませんが、学校に有名店で働く先輩が来た時に、自分から手を上げて質問したり、先生が大きな荷物を運んでいたら「手伝いますよ」と声をかけたり、落ちているゴミを拾う……すべて2秒もあればできることですよね。でも、こういうことが自分という存在をアピールするチャンスなんです。
実は、『スタイリングコレクション2017』も、僕は参加しようかどうかものすごく迷ったんです。というのも、僕は専門学校も美容師の国家試験合格を目指すコースだったので、ヘアメイクやクリエイティブな知識や経験もありませんでした。そんな僕が1000人規模のヘアショーに出るのは無謀なんじゃないか……悩んだ末に、仲間を集め、夏休みすべてを使って挑戦しました。やってみなければわからない難しさや感じられないことがあるし、チャレンジすることそのものに価値があると考えたからです。
僕は、1週間あるサロンワークの体験中の3日目に突然面接が差し込まれたので、緊張してしまいその場で何を話したかは覚えていないんです。にもかかわらず、今sandでスタイリストをしているのは、こうした姿勢が認められたからなんじゃないかな、と自分では考えています。 だから、学生のみなさんにも、大小は関係なく、飛び込んできたチャンスは全て掴んでほしいなと思います!どんなことでも経験として糧になりますし、学生だからこそできることも沢山ありますから。
sandS Ginza / スタイリスト
松元 晴志朗(まつもと せいしろう)
鹿児島県出身。東京モード学園美容学科卒業。2019年sandに新卒入社。銀座店でおよそ2年のアシスタンを期間を経てスタイリストデビュー。現在は、ボブヘアに特化した打ち出しを行っている。
https://sand-hair.com/
(カメラマン:松林真幸 ライター:須川奈津江)